「タランティーノ」、「ブラッド・ピット」、「ナチス」と好きなものが三拍子揃ってる時点で、面白くないわけないじゃないか、と大いに期待して劇場へと向かいました。
ナチスに自分以外の家族を殺されたユダヤ人のショシャナと、アルド中尉の率いるナチス殲滅用特殊部隊「バスターズ」が、ナチス将校の集まる映画の上映会を狙ったテロを各々で計画する、っていうのが話の本筋。
ヒトラーとか実在の人物が登場するものの、話は完全にフィクションで、史実とは全く異なります。
以下、思ったことを箇条書きで。
これから観ようと思ってる人は読まないほうがイイです。
・ランダ大佐の話術がすごく心地いい。柔らかな物腰と相まって、ついつい聞き入ってしまう。今作における、タランティーノ映画独特のほとんど無意味なセリフ回しは、この人に集約されています。
・「ユダヤの熊」の登場シーンで笑ってしまった。その前の尋問での「どでかいバットで脳みそぶっ飛ばす」などのセリフも踏まえて、出てきた瞬間のブチ切れ感がすごく良かった。「こいつ、怖ぇー」と思いつつ、なんかニヤけてしまった感じ。
・ブラッド・ピットはちょっと荒くれ者的な役がすごく似合う。バスターズメンバーを並べて訓示をしてるシーンや、捕まえたナチス兵を尋問するシーンはすごく愛嬌のある格好良さで、何度も観たくなるシーンです。
・相変わらず音楽が良い。映写室でのラストシーンで流れてくる音楽がすごく良かった。ただ、曲の途中でバッサリとシーンが変わってしまったので、曲も尻切れトンボになってたのが残念です。
贔屓込みで70点。
パーツとしてはすごく面白いシーンがたくさんありました。ただ、最終的になんとなく物足りない感じが残ったように思う。あと、上映時間が152分で結構長いせいもあって、終盤でちょっとダレるかもしれない。とはいえ、いつものタランティーノを期待して観に行けば、期待を裏切られることはないと思います。
この映画、公開から4日間は「面白くなかったら全額返金」っていうキャンペーンをやってて、全5章のうち、3章までに席を立った人にはチケット代を全額返金する、って内容でした。観てみると3章まではすごく話の展開を期待させる作りになっていたので、なるほど、と思った。